WEB拍手過去ログ その他






第14弾


春といえば

 


「花見に決まってるだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

すみません。当たり前すぎてごめんなさい。

 

ここ、せいれいていにも桜が満開に咲いた。

誰もがその美しさに足を止め、この桜の下で宴会でも・・・と思うものだ。

そう、とくに十一番隊は。

今年十一番隊に入隊した私は始めてみる十一番隊の壮絶な宴会にため息をついた。

(ゆっくり桜もみれないし・・・)

皆飲めや食えやの大騒ぎ。

私は一角さんに絡まれ大騒ぎ。

(あー、一角さん 首!首痛いよ!)

声にもならない悲鳴をあげながら私ははかない桜を見上げた。

その後、弓親さんに助けられた私は転がるように人気のない場所に逃れた。

「きれいだなー」

葉桜もきれいだけど、やっぱり花が咲いているころが一番きれいだ。

ころんと草むらにねっころがると自分がお酒を手にしていたことに気が付いた。

らっぱ飲みで飲み干すと、きつい酒精が脳天にまで突き上げるようだった。

「死んでもいいかも」

桜の下で死にたいと願い、本当にそうなったのは誰だったか。

「こんなとこで死んでもらっちゃ困るよ」

急に声をかけられちらりとみると弓親さんだった。

「休憩ですか?」

「美しいものを見るためにね」

私みたいな平にしてみれば席官は近寄りがたいものだが

なにかと面倒をみてくれる弓親さんはいい先輩だ。

「きれいですよね。ふわふわするし」

「それはお酒を飲んだからでしょ」

「そうでした」

 


「葉桜もきれいだろうね」

 

 

「私も、おなじこと思ってました」

 

 

夜のつめたい風が私の頬をなでて、


私はゆっくり目を閉じた。

 


 「今度、葉桜見物でも・・・って、寝ちゃったか」

 









第12弾


カルタ取り〜IN十番隊〜

 

ごくり、

そんな音も聞こえてきそうな十番隊執務室。

緊迫した空気がちくちくと肌を刺すようで痛い。

そんななか乱菊さんの朗々とした声が・・・・

「花の色はうつりに・・・」

バシィィィィ

緊迫した空気が解けて動いたのは六番隊隊長・朽木白哉。

「くそっ、取られた・・・・・!」

「なんでそこまで熱くなる」

隣の隊長は呆れ気味だ。

今日は元旦。新年を祝って今日の業務はほぼ停止状態だ。

色々挨拶周りもした乱菊さんと私は隊長や他隊の隊長たちも誘ってカルタ取りをしている。

「だってくやしいじゃないですか・・・・!」

本当は、朽木隊長に取られたからではない。

ちらりと乱菊さんをみると彼女はあだっぽく笑った。

『もしあんたが一番になったら隊長の秘蔵生写真を・・・』

ごくり。

な、生写真・・・・・・・!

カルタ取りの前に乱菊さんがいったことを思い出して私はますます燃えた。

 

「玉の緒よ・・・」

「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

一瞬の沈黙。

私の手の中には、カルタ一枚。

それを向かいに座っている朽木隊長がちらりとみて

(ちなみに今の状況は朽木隊長のまえに私が滑り込んだ感じ)

「当たっている・・・」と呟いた。

「きゃっほぉぉい!!」

「静かにしろ!まだ並んだだけだぞ」

「だって隊長!この歌はまさしく私の心情を・・・・!!」

「はいはい分かった」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「さて!これで朽木隊長とウチの隊長の班が並んだわね!(頑張って勝つのよ!)」

ああ、乱菊さん。ありがとうございます。かっこの中の応援も聞こえてきました!

 

(長くなるのではしょって)結果は・・・。

「十番隊の勝ち〜〜!」

「いやっほぉぉぉぉぃ!」

朽木隊長!生写真は私のものです!(その前に生写真のことを朽木隊長は知らないが)

「よかったじゃねぇか」

隊長!今日は隊長の生写真でねれそうにありましぇ・・・ガフッ(鼻血)

「・・・(朽木隊長、実は参加していたが出番ナシの副官を連れて退場)」

ふふふ。今日は赤髪恋次も出番なかったし(恋次は百人一首を覚えていない)

実質、私と隊長の究極ドリームラブラブ(?)タッグ対朽木隊長だったからね!

愛の勝利よ!

「乱菊さん!あれを・・・「おい」」

「?はい。なんですか?隊長」

「おまえ・・・・」

「は、はい・・・・・(まさか、ここここここ、告白!?)」

「忍恋(しのぶこい)でもしてるのか?」

「あ・・・・・・」

あの札のことだ。

「くふふふふふ。そうですよ!隊長私はまさに今忍恋を・・・」

きゅぅんってしてはぐぅな感じなんですと隊長に力説したんだけど隊長は眉を顰めて

「ならいっそ死んでしまえ」

「・・・・・・・・隊長は私がいなくなってもいいんですか!?」

隊長はそれには答えずに羽織を翻して去っていった。

逃げたよ・・・・・・・・・・あの隊長羽織の下は七五三みたいな格好のくせに・・・!

でもかっこいいので何もいえないこの恋心。

 

「見事にふられたわねー」

「・・・どこからでてきたんですか?乱菊さん」

「むふふ。はい。これが写真ね」

「きゃふん!ありがとうございます!今日は寝れない・・・・キャハ!」

恋する乙女は立ち直りも早い(その前に落ち込んでもいないが)

 

>おまけ

私はそっと手の中の二枚の札を見た(実はこっそり頂いてきた)

『玉の緒よ 絶えなば 絶えね ながらへば 忍ることの 弱りもぞする』

(私の命よ、絶えてしまうなら耐えてしまえ。

 このまま生き長らえていると、あなたへの恋を耐え忍ぶ心が弱まって誰かに知られては困るから)

「忍恋・・・本当にそうなんですよ?日番谷隊長」









第9弾目

いつもと同じように、メイクしてメガネをかけてまずは受付所に。

それが私の朝。

「あはようございま・・・・え?」

「よう!おはよう」

丁度受付所にいたのは、上官の不知火ゲンマ先輩。

「・・・・・・・・お、おはようございます」

「そんなに珍しいか、コレ」

といって先輩が指差したのはメガネ。

私のではなく、先輩がかけているメガネ。

「い、いえいえ!とても似合ってます!!」

それはもう腰抜けそうなくらい!

「そうか、良かった」

ええ、笑顔も反則なくらい素敵な先輩。

ああいいなぁ。いつもこんな笑顔をみれる彼女は。

先輩に今彼女がいるかは知らないけれど。

「あの、どうされたんですか・・・そのメガネ」

先輩は咥えている千本をくっと上に持ち上げた。

それは先輩が笑っている証拠。

「ちょっと・・・な」

言えないことなのだろうか。




ほどほどに会話を切り上げようとした時、ぽんと肩を叩かれ、先輩に囁かれた。




「好きな子の真似してみたんだ」




カッと顔が赤くなる。

その好意はその言葉は、どういう意味なのか、私でもわかる。






「似合ってますよ、とても。

きっとその子も惚れ直すくらいに」



二つのメガネ越しに視線が絡まって。






クスリと笑いあった。


>不知火ゲンマ



第8弾目


気だるい朝。

乱菊さんと欠伸をかみ殺しながら出勤した私は、眠気も吹き飛ぶような光景を目にした。

「た、たたた隊長!?」

「ま、隊長どうしたんですか?」

いつもと同じように執務室をあけたら見慣れない光景がひとつ。

「朝っぱらからうるさいぞ」

「うるさいって、うるさくもなります。隊長」

「そうですよ隊長。どうしたんですかメガネなんて。おっぱいポロリしちゃうとこでしたよ」

「えー残念!隊長、どうせメガネなら鼻メガネにしてくださいよー乱菊さんのポロリ見たかったのにー」

「お前ら・・・」

銀縁のメガネをした日番谷隊長は深く溜息をついた。

「とりあえず仕事しろ・・・」

「仕事どころじゃありませんよ隊長。鼻メガネ探しに行かないと!

隊長の鼻メガネ(と乱菊さんのポロリ)をみるまで今日は眠れません!!」

「そうね!そうとなったら早速行くわよ!」

「はい!乱菊副隊長!!いざ鼻メガネ探しの旅に!!」

意気揚揚と執務室を出て行く副官と三席に日番谷はまたひとつ溜息をつき、

もう二度と目の調子が悪いからとメガネをかけるものかと誓った。


※十番隊※




朝からきゃあきゃあうるさいな・・・と女性死神の歓声を聞きながら出勤すると、

「ひ、ひひひ檜佐木?」

私は学院時代からの友人の姿に目を見張った。

「よお!」

「なに、そのメガネ・・・」

「ああ、徹夜明けでさ、痛いからコンタクト外したんだ」

というかコンタクトをしていたということも知らなかった。

黒縁のメガネをかけた檜佐木は普段よりも色気がましていて、

朝からのうるさい歓声の原因はコレだったのだ。

「あんまり似合いすぎても困るのよね・・・」

「あ?なんだって?」

「ううん。なんでもない。さあ仕事仕事!」

檜佐木の意外な姿(しかも似合っている)に周りが騒ぎ仕事が滞るのは嫌だが、

私はそれよりも檜佐木に関して知らないことがあったことが嫌だった。


学院時代からの友人。

このもどかしい距離が不満。


でもまだこの友人という関係を壊したくなくい。

「もうちょっとかっこいいメガネあったんじゃない?檜佐木。黒縁が似合うのは藍染隊長だけよ」

「確かに藍染隊長は似合ってるけどさ・・・似合ってねぇ?」

「ぜーんぜん。もっといいの探しなよ」

「・・・お前今度付き合えよ」

「おっけー」


不満、だか心地のいい不満。

執務中、メガネの位置をなおす檜佐木を見ながら、私は必死で彼に似合うメガネを考えている。



※檜佐木 修兵※

第6弾



「ぐおー寒ぃ」

ふらりとやってきた恋人はガチガチと歯を震わせていた。

「そりゃそうでしょうね。普通の死覇装着たら?」

「それは嫌」

ぐすんと鼻をすすりながら修兵は答えた。

「なんで?」

「・・・ポリシー?」

疑問系ですか。しかもなんてくだらないポリシー。

「風邪ひいても知らないからね」



「お前が治してくれるだろ?」



な、四番隊員サン?



※檜佐木 修兵※



第3弾

少しクーラーを効かせて、私は台所に立つ。

段々色の変わるカボチャの煮物の前で、私はあなたの帰りを待っている。

「おいしくなってね」

そういいながら、私はあなたの帰りを待つの。

少しだけ味見をして、あなたの味にまた少し近づけたことを嬉しく思うの。

「まだ、かな」

時計の針はもうすぐあなたが帰るといってた時間。

「ただいま」

玄関からすぅっと風が入って、あなたが帰ってきた。

「おかえり」

ほら、カボチャがあなたに食べられてたくて、こんなに素敵に色を変えたわ。


*不知火 ゲンマ*



Back

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送